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アナウンサー・岸田さんの青色申告チャレンジ第2回【経費と領収証の管理、アプリ読み込みまで】

アナウンサー・岸田さんの青色申告チャレンジ第2回【経費と領収証の管理、アプリ読み込みまで】

フリーアナウンサーの岸田さんがチャレンジする青色申告チャレンジ、第2回目となりました。今回は経費の領収書・レシートを整理、アプリでの読み込みまでをチャレンジします。経費についてお教えくださるのは、前回同様、税理士の宮﨑先生です。

なにが経費にできる?領収証を見ながら確認スタート

宮﨑さん(以下敬称略):
さて、いよいよですね。経費として登録する領収証やレシートは、どんな感じでまとめているか、見せていただいてもいいですか?

岸田さん(以下敬称略):
はい、この封筒に入っています。仕事に関係するものは、とにかく全部まとめてこの封筒に入れてあるんです。だから封筒がどんどんもりもり大きくなっていって……。今日は経費になりそうなものを選んで持ってきてみました。まだしっかりした知識がなくて、感覚で選んだだけなので、間違っているかもしれませんが。封筒をそのまま持ってきたので、ちょっと恥ずかしいですね(笑)。

宮﨑:
気にしないでください。たぶんフリーランスの多くのひとたちがこんな感じではないかと思いますよ。レシートのシワを伸ばしてまとめておきさえすれば紛失の心配もなく、いいことです。もう少し手間をかけられるなら、月ごとの封筒にするとかですね。では、どんな経費が発生しているのか、領収書があるものを具体的に見ていきましょうか。

カフェで打ち合わせしたとき「追加した飲み物」の代金は?

岸田:
細かい話からで恐縮ですが……。仕事の打ち合わせの場所としてカフェを使ったら、そこでの出費も場合によって経費にできますよね。そのときに飲んだコーヒーは経費になると思うんですが、それ以上のもの、たとえば長い時間滞在したので、コーヒーの追加を注文したらどうなるかな……?とか。そんな質問をしてもいいですか?

宮﨑:
もちろんです。具体的な質問のほうが私も答え甲斐がありますしね。
打ち合わせ中に飲み物を追加して注文して支払いが発生した、ということですが、カフェでの滞在時間が長ければよくあることだと思います。なにも注文せずにカフェに滞在することはできないし、時間が長ければ、その分の飲み物も注文する必要が出てくるのではないでしょうか?打ち合わせを外部で行う必要性があったのだから、問題ないと思います。

あまりにも高額だったり頻繁だったりと、不自然な点があれば経費計上するのは難しくなりますが、「その金額で仕事をする場所を確保した」ということになるわけだから。もしコワーキングスペースを使ったとすると、もっと高額になります。このレシートのときはどのくらいの滞在時間ですか?

岸田:
4時間くらいでしたね。結構長い打ち合わせだったので。

宮﨑:
それなら、飲み物だけじゃなく、たとえばアップルパイなんかを食べても大丈夫じゃないかな。

岸田:
すごい!具体的だ(笑)。

宮﨑:
もし滞在時間が30分だとしたら、追加でコーヒーを飲んだり、アップルパイを食べたりしながら打ち合わせというのは、ちょっと不自然だと思います。 でも、長く滞在していたら、なにか飲んだり食べたりしながらお話することもあるのではないでしょうか?あくまでもある程度の説得力があれば大丈夫。さらに、領収書やレシートの裏に「誰とどんな打ち合わせをしたか」といったメモを残すのもいい方法です。交際費としての飲食代なども発生すると思いますが、その場合も同じことが言えますね。

岸田:
仕事に関係したものだときちんと説明できる、ということが重要なんですね。すぐ忘れちゃうからやっぱりメモしたほうがいいな……。

宮﨑:
そうです。そのとき「仕事に関係するとは言えないかもしれない。ちょっと書きにくいな」と思ったなら、曖昧なのだから経費として計上しない方が無難です。「しっかりと区別できている」と言えます。万が一税務調査が入ったときのことを考え、その経費についてきちんと説明できることが重要です。

岸田:
わかりました。「きちんとした説明」につながることだと思うんですが、複数の人数で飲食をし、自分の分だけを支払った場合も経費にできますか?最近は支払時に個別で領収証を出してもらうことにしていますが……。

宮﨑:
はい、できます。岸田さんご自身がまとめて支払い、自分が負担した分だけを経費にするのなら、全額のうち自分の支払い分をメモして登録してください。個別で領収証を出してもらえるのなら、それが一番明瞭ですね。

お土産代は?金額は少し高めでも大丈夫?

岸田:
お世話になっている取引先へのお土産代はどうなりますか?場合によってはきちんとしたものを贈りたいときがあるので、かなり迷います。

宮﨑:
ほどほどなら大丈夫ですよ。ほどほどというのはつまり、「状況に応じた金額」ですね。たとえば、ご挨拶のお土産として10万円となると、常識的に考えて「高すぎる」とわかる。その一方で、3,000円、5,000円程度であれば不自然ではないですよね。これも、領収書の裏に手書きで「誰に、どんなお祝いで、なんの目的で」など書くといいでしょう。実は、それが「自分の字」であることも説得力を増すんですよ。

岸田:
なるほど!お菓子でも5,000円かけていいなら、ちゃんとしたものが贈れます!

宮﨑:
ね。そういうときに岸田さんのセンスを見せることだって大事ですから。くれぐれも同じ取引先に毎日プレゼントするとか、不自然なことはしないように気を付けてください(笑)。

衣装代や家賃など、仕事とプライベートが混合する経費は?

岸田:
もうひとつ、衣装関連はどう考えたらいいのか迷います。経費にできるのは知っていますが、撮影のために着るものと、プライベートで着るものを完全に分けて買えるわけではないので、その場合にはどう考えればいいですか?

宮﨑:
「按分」(あんぶん)といいう概念ですね。仕事とプライベートがそれぞれどれくらいの割合か考え、算出する、という考え方でいいと思います。申告する側の良心ひとつになってしまいますが、先ほどお伝えした通り不自然でない割合であることと、自分で設定した根拠を持っておく、というのが重要です。メイク用品などもそうですね。衣装代と同じような割合で考えてみてもいいと思いますよ。

岸田:
それは助かります!割合といえば、家賃などもそうですか?仕事のためのスペースを自由に借りられる物件を選んだのですが、そのぶん普通の物件より家賃は高めなんです。

宮﨑:
いい物件ですね。こういうケースの按分は難しいですが、近くのコワーキングスペースの利用料などを参考にして時間あたりの経費を算出する、という方法があります。

岸田:
なるほど!本来、「別の場所を借りるとしたらどれくらいになるか」を参考にするんですね。

宮﨑:
はい。それで算出してみてください。それから、もし将来に一般的な物件を借りることになったら、仕事で使う面積、あるいは、仕事で使う時間の割合などが経費計算の要素になると考えましょう。「8時間労働」で考えて1日の3分の1として考える人も多いですね。電気代なども同じように考えることができます。

家賃の延長上として、火災保険も経費計上することができます。ただし、地震保険については、控除を受けている場合には経費として計上すると二重になってしまうので、避けてくださいね。

交通費の管理にはアプリが便利

宮﨑:
これは交通費の領収書かな?2枚セットになっているようですが。

岸田:
はい!これはタクシー代です。交通系のICで支払いました。1枚は領収書で、もう1枚は支払明細書かな?

宮﨑:
なるほど。これは1回の支払いに対し、領収証とICカードの支払明細との2枚があるわけですね。これを重複して計上してしまわないように気をつけましょう。ただ、片方だけだと支払った手段などがわからなくなってしまうので、セットで保管する必要はありますね。

ただし、岸田さんの場合、前回「現金扱いで登録する」というケースもありましたよね(※個人のクレジットカードを利用して事業に関する費用を支払った場合、現金で支払ったことにするというケースがありました。前回の記事はこちら)。その場合、支払った手段の証明はいらないので、領収証だけで問題ありません。もし今後、事業用のクレジットカードを使うことになる場合は気をつけてくださいね。

岸田:
はい。領収書によっては情報が足りなかったりするんですね。気をつけなくちゃ。

宮﨑:
そうです。レシートや伝票は企業やお店によっていろいろなパターンがあるので、注意が必要です。海外では国内のレシート様式が政府によって一貫されているところもあるけれど、日本はそうじゃないから。アプリに読み込ませるために撮影するにしても、「領収書やレシートを整える」及び「情報を確認する」というところから始まります。

岸田:
わかりました!領収証のない交通費についてはどうですか?私は交通系ICに一定の金額をチャージしてから使うのですが。

宮﨑:
チャージした段階での経費計上は避けましょう。交通費が発生したら、Excelなどに履歴をまとめるのが理想的です。ただ、交通費についてはICカードと連動したアプリが便利なことが多いですね。FinFinのアプリはモバイルSuicaと連携できますので、どこからどこまでなにで移動したのかが一目瞭然で、とてもおすすめです。プライベートで使った分は除外するなどのことも可能ですよ。

岸田:
すごい!モバイルSuica、考えてみます!

宮﨑:
ええ、よかったら。岸田さんのお仕事で発生する経費の種類は、だいたいこのくらいかな?

岸田:
はい!ありがとうございます!いろいろと理解できてよかったです。職業によってなにが経費になるかは変わってくるので、しっかり把握していく必要がありますね。私は先輩に教えてもらったりもできましたけど、どうするのが理想的なのかな……。

宮﨑:
もしできればなのですが、やはり税理士さんに相談してみるというのがおすすめですね。無料相談や行政の相談窓口、セミナーなどで質問する機会があれば、それを利用するのもおすすめですよ。

アプリ入力準備のため、領収書を整理

宮﨑:
さて、では領収証をわけていきましょう。まずは月ごとに分けていきましょう。私もお手伝いしますよ。

岸田:
ありがとうございます!

岸田:
すごく整った気がします!では、1月の領収書からアプリで読み込んでみます!

岸田:
あ、こんな画面になるんですね。なるほど!これ、ラクだしなんだか楽しい!

宮﨑:
自分でいちいち入力するよりずっと早いし、ちょっと楽しいですよね(笑)
入力した領収証は、未入力の領収証ときちんとわけて保管していくことが大事です。折に触れて言っていることですが、二重登録などを避けるためですね。こういうファイルをつくって、しっかりと分類していきましょう。入力したものは袋に入れてくださいね。

次回はアプリに入力した経費の「仕訳」にチャレンジ

第2回となる今回は、領収証を整え、経費にできるものはなにかを確認することができました。また、アプリによる読み取りを行い、経費として計上する下準備も整いました。次回は経費をどのような「仕訳」にしていくのか、アプリでの操作を行っていきます。

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