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ナツキさんの青色申告チャレンジ第3回【夢への第一歩!事業計画書を書いてみよう】

ナツキさんの青色申告チャレンジ第3回【夢への第一歩!事業計画書を書いてみよう】

「事業計画書」の目的はなんだろう?

前回の青色申告チャレンジでは、ナツキさんの作った事業計画書で大いに盛り上がり、ブラッシュアップを行うことに決定いたしました。

では、ナツキさんの事業計画書を見ていく前に、そもそも「事業計画書」とは何なのか、何のために作るのかを考えてみましょう。

事業計画書とは、今後どうやって事業を運営していくのかを示す計画書です。決まったフォーマットがあるわけではなく、内容が読み手に伝わるのであれば、どのように書いてもかまいません。ただし宮﨑先生の解説によると、事業計画書には大きく分けて二種類あるそうです。

伝える相手 社外(銀行など経営を外部から支える方) 社内(経営者自身や従業員)
主な目的 融資・投資の相談 事業計画の共有
作成に置いてのポイント 売上高など数字にできるもの 経営理念など数字にできないもの

まずは「社外」に向けた事業計画書。これは主に融資や投資を受ける際に作られる書類で、売上や単価、資金など定量的なデータ、つまり数字にできるものが重視されます。お金を返す能力があるかの判断に使用されるわけですから、シビアに内容をチェックされます。

次に「社内」に向けた事業計画書。これは主に社員やスタッフに向けて作られる書類で、起業理念や事業の方向性、目標など、定性的なデータ、つまり数字にできないものが重視されます。ここには創業者の思いや夢も含まれますし、場合によっては目指すライフスタイルを書いても構いません。

「事業計画書」と聞いた場合、大抵の人は前者を思い浮かべるのではないでしょうか。厳密な計画なんて立てていないから、事業計画書は作れない。そう考えているフリーランスの方も多いかもしれません。

確かに融資のために作成する事業計画書は、きちんとした数字が求められます。しかし、事業計画書は、自分の理想や目標へ向かう道筋を作っていくためのものでもあるのです。自由に夢を描いて、今後への展望を膨らませてワクワクしたい、そんな気持ちで作っても構いません。

フリーランスの方々も、創業した時、将来はこうなりたい、という夢を描いていたケースも多いのではないでしょうか。お店を何店舗も展開したいとか、メディアに次々取材されたいとか、半年だけ働いて半年は旅行して暮らせるようになりたい!という夢でもOKです。

そして、その夢を叶えるために事業計画書が必要なのです。これくらいの売上を上げるためには、こんな準備が必要で、これくらいの経費が必要だと考えて書き出してみるだけでも、夢は実現に一歩近づきます。

それに今後、あなたの夢を別の誰かに伝えなければならない場面も来るでしょう。その時に、事業計画書があればより伝えやすくなりますし、あなたの夢が実現するのだという説得力も増します。こう考えていくと、堅苦しかった事業計画書が面白そうに見えてきませんか?

五年後のことなんてわからない?想像でも大丈夫!

それでは、手始めにナツキさんが作った事業計画書を見てみましょう。単価の金額は伏せていますが、こちらが実際に作成していただいたものです。

前回提出いただいた事業計画書はもっと壮大な夢が溢れるものでしたが、ナツキさん曰く「記事になるので、現実的な内容へ変更しました(笑)」とのこと。「やりたいこと」「目標」「準備」「重点サービス」という四つの項目にわかれていて、五年後まで細かく記入されています。

「ナツキさんお一人でこれを作ったというのは本当にすごいですよ。事業計画書を一人で作るのは大変ですから」と宮﨑先生も褒めていました。

「ただ、わからないことがあって。一年目、二年目までは現実的なプランが出来上がっているから、それを書くだけで大丈夫なんです。ただ五年目となると、単なる想像になってしまって、本当に五年後こうなっているのかどうか自信が持てません」

確かに、毎日が精いっぱいなのだから、五年後のことなんかわからない、と思われるフリーランスの方は多いでしょう。そんなナツキさんの悩みに、宮﨑先生はこうアドバイスします。

「大半の方は、5年後の自分は必ずこうなるという確信は持てないと思います。そのため、ある程度は想像で構いません。大きな目標に向かうための道筋だととらえてください。自分の事業が目指している場所に到達するには具体的にどうしたら良いのか、それを考えてみるだけでも役立ちますよ」

たとえば、ナツキさんは「10年以内に法人化したい」という夢を持っています。そのためには売上1000万円を目指す必要がある、すると五年後には700万円を目指したい、そのための売上拡大には、先輩がやっているように物販や動画販売が必要なのではないか、そのように逆算して計画書を作っていったと言います。

「たとえば3年目の項目に「動画販売」とありますが、自分で動画を作るのはかなりの手間ですから、制作は外部に委託して時間を空け、本業に専念した方がいい、という考え方もあります。実際にこの売上を持つ頃には、かなり忙しくなっているでしょう。そうすると、動画制作にかかるお金が費用に組み込まれます」

こうして一つ一つ考えていくだけでも、事業の道筋が見えてきた、と感じませんか? こうして書類を作るだけで、今までは見えなかった色々なものが見えてくるのです。

実は、宮﨑先生も自身の事業計画書を作成中だと打ち明けてくれました。スタッフに「先生が目指しているところを知りたい」と頼まれて、作成を決意したそうです。

「5年後のことはわからない、それは現在進行形で感じている私の悩みでもあります。これは私自身がある方から勧められた方法なのですが、未来の予想に自信が持てない場合は「上手くいったAパターン」「悲観的なBパターン」の二つの予測を立てる手もあります。悲観的なケースにも備えていれば安心感も増して、納得がいく事業計画書が作れると思いますよ」

きちんと書類に起こすのだから、予想は一つに決めなくてはいけないと思っていた方も多いのではないでしょうか? このように事業計画書には様々な書き方があり、事業を見つめ直すためのものですから、形式にとらわれる必要はありません。

「漠然としていた遠いゴールがクリアになり、誰のために、何のために私は事業をするのか?が見えてきました。先を見通して捉える感覚も、余裕が出てきたらいつか……ではなくて、今から同時進行で磨くことが必要なのだと感じました!」

これが事業計画書作成を終えた後の、ナツキさんのご感想です。事業を進める上で「知りたい」ところを、実際に得られたという実感がこもっています。

事業計画書は次回に続く!

次回はもっと踏み込んで、ターゲットや単価の見直しに事業計画書がどのように役に立つのかという点を、ナツキさんのエピソードを交えて解説していきます。次回の青色申告チャレンジもぜひご期待ください!

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