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海外との取引があるフリーランス必見!海外からの収入も確定申告が必要?

海外との取引があるフリーランス必見!海外からの収入も確定申告が必要?

フリーランス・個人事業主の方には、お仕事の種類によって海外の企業や事業者との取引がある方もいらっしゃると思います。その場合には「海外から(あるいは海外での仕事で)収入を得ている」ということになりますが、確定申告ではどのような扱いになるのでしょうか。「国内のことじゃないから」と放置してしまうと、脱税になる可能性もあります。しっかりと確認しておきましょう。

1.フリーランスの海外からの収入は課税対象?

フリーランスが海外から(海外の仕事で)収入を得た場合、収入を得た人は日本における「居住者」の場合は課税対象となり、確定申告が必要です。一方、「非居住者」の場合は、課税対象にならず、確定申告が不要ということになります。

では、「居住者」と「非居住者」について、国内法の定義を見てみましょう。

【居住者(日本の居住者)】
以下のどちらかにあてはまる場合には、「居住者」と言えます。
・国内に「住所」を有する個人
・現在まで引き続き1年以上「住所」を有する個人。
国税庁ホームページ 居住者と非居住者の区分より

「住所」は、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。
つまり、「住所」は、その人の生活の中心がどこかで判定されるということです。なお、一定の場合には、職業などを基に「住所の推定」をおこなうこともあります。
国税庁ホームページ 別紙 住所の推定より

「居所」については、住所とは異なり、「その人の生活の本拠ではないけれども、その人が現実に居住している場所」と説明されています。つまり、「住所は海外にあるがほとんど日本で働いている」というような方も、所得税法においては「居住者」という扱いになるのです。非居住者は、上記の条件にあてはまらない人を指します。

海外から収入を得ている居住者は、日本で所得税を支払う義務があります。このように、海外からの収入も課税対象となる制度を「全世界所得課税方式」と呼びます。なお、非居住者の場合は海外における収入について税金を払う必要はありませんが、日本国内の収入については日本で税金を支払う必要があります。

2.海外からの収入に課税されると、海外で重ねて課税され、「二重課税」になるのでは?

日本の居住者が海外から、あるいは海外の仕事で収入を得た場合、日本で所得税を納める必要がありますが、国によっては現地においても税金を納めなければならない(源泉地国課税)ということもあり得ます。つまり、ある所得についてふたつの国で二重に課税されることになってしまうのです。
しかし、これを防ぐために「所得税の外国額控除」という制度があります。現地で支払った分の税額のうち一定額を控除してもらえるというもので、確定申告での手続きが必要となります。次の計算による「控除限度額」が上限です。

所得税の控除限度額=その年分の所得税額 ×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)
外国所得税額が上記限度額を超えてしまう場合には、次の式にて算出した金額を限度として、復興特別所得額からも差し引くことができます。

復興特別所得税の控除限度額=その年分の復興特別所得税額 ×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)
詳しい内容については国税庁ホームページをご確認ください。
居住者に係る外国税額控除

3.フリーランスが海外からの収入がある場合の確定申告

所得税の外国額控除を受ける際の確定申告には、次の書類が必要です。
確定申告書等作成コーナー「よくある質問」より引用

①外国税額控除に関する明細書(居住者用)
②外国所得税を課されたことを証する書類
③外国の法令により課される税の名称及び金額、その税を納付することとなった日及びその納付の日又は納付予定日、その税を課する外国又はその地方公共団体の名称並びにその税が外国税額控除の対象となる外国所得税に該当することについての説明を記載した書類
④上記③の税を課されたことを証するその税に係る申告書の写し又はこれに代わるべきその税に係る書類及びその税が既に納付されている場合にはその納付を証する書類(納税証明書や更正決定に係る通知書、賦課決定通知書、納税告知書、源泉徴収票などを含みます。)など

4.海外在住の場合でも、日本国内での稼ぎがあれば確定申告が必要な場合も

海外在住の場合、つまり「非居住者」の場合、日本の国籍を持っていても、収入が海外からのみ発生しているのであれば、確定申告は不要です。課税されるのは日本国内での所得のみとなります。日本国内で稼いだ所得のことを「国内源泉所得」と言います。
たとえば、海外にいながらにして「日本で持っていた不動産を譲渡した・人に貸したことによる利益を得た」といった場合には、国内源泉所得を得たことになり、確定申告が必要となりますので注意しましょう。

5.日本にいる限り、海外からの収入もしっかり確定申告を!

基本的には日本に住まいや仕事の拠点がある限り、海外との取引で発生した収入は確定申告をする必要があります。収入があったという証明になる書類は、きちんと保管しておきましょう。また、現地でも税金が徴収されていた場合には、所得税の外国額控除を受けることができます。これは確定申告で申請を忘れてしまうと戻ってくるものでないため、注意してください。

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記事監修者紹介

恒川洋子税理士事務所 税理士
恒川洋子先生 恒川洋子税理士事務所

1979年愛知県岡崎市生まれ。約10年の税理士事務所での経験を経て、2023年4月埼玉県越谷市にて独立。医業・飲食業・輸出入・小売業・卸売業・IT関連・不動産・イベント制作・各種サービス業、医療法人・一般社団法人・NPO法人等、多様な業種・形態の決算・申告を経験。「経営者が本業に集中できる環境を提供する」「お客様の事業が発展することで間接的に社会貢献する」ことを理念に掲げ活動中。