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フリーランサーの付加年金加入のススメ

フリーランサーの付加年金加入のススメ

一般的な会社員はみな、「厚生年金」という、会社員だけが利用できる国の制度に加入しています。そして、厚生年金は将来もらえる老齢年金が高額であることから、一般的な会社員の多くは、将来のお金は厚生年金をメインとしつつ、そこにいくらかの貯金や株式投資の運用益などをプラスして生活する、といったライフプランを考えていらっしゃる方が多いと言われています。

一方、フリーランサーは厚生年金には加入できず、代わりに、「国民年金」という制度に加入する義務があります。しかし、将来もらえる老齢基礎年金の年額は満額でも「816,000円」(令和6年度)となっており、さすがにこれ一本では物足りない金額となっています。つまり、将来のお金については、会社員よりもフリーランサーの方がよりシビアになりがち、というのが実情だと言えます。

しかし、自身のビジネスにお金や時間を投入しているフリーランサーが、将来のためのお金を別で残しておくことは困難です。そこで今回は、無理せずごく少額から始められる「付加年金」という国の制度をご紹介したいと思います。これを読めば、以下が分かるようになります。

1.最大の特徴:付加年金はたった2年で元が取れるのでメリットが分かりやすい

付加年金は、フリーランサーのような国民年金の加入者のみが利用できる、いわばオプションのような制度です。会社員や会社員に扶養されている専業主婦などには利用できない、いわばフリーランサーだけの特権とも言える制度です。

具体的には、将来もらえる老齢基礎年金に、金額がプラスされることになります。そして何より、たった2年で今までの付加保険料の元を取り戻せるという、非常に分かりやすいメリットがある点が特徴となっています。65歳から年金を貰い始める方の場合、67歳まで生きればそれ以降はずっと得をする、と言えば分かりやすいでしょう。

2.保険料

付加保険料:月額400円

毎月支払っている国民年金の保険料に400円の付加保険料をプラスするだけなので、非常に安価なのが特徴です。

3.将来もらえる付加年金の金額

・将来受け取れる付加年金の金額(年額):200円 × 付加保険料納付月数

将来の老齢基礎年金の年額が、上記の金額だけ増えます。そこまで高額ではないものの、ローリスク・ミドルリターンなので、資金繰りが苦しいフリーランサーにはもってこいの制度だと言えます。

4.加入方法

下記の4パターンのうち、ご自身が手続きしやすいと思うものを選べばOKです。
なお、途中で脱退したい場合でも、この4パターンのうちのいずれかの方法で脱退申請をすることになります。
※ただし、中途脱退しても今まで払った付加保険料は返ってきません。将来の年金額に反映されたままとなります。

マイナポータル

オンライン申請をするパターンです。

マイナンバーカードを持っていることが前提にはなるものの、自宅でも申請ができるので非常にスピーディーなのが特徴です。詳しいやり方は、日本年金機構の「個人の方の電子申請(国民年金)」をご確認ください。

市区町村役場

お住まいの地方自治体の窓口に、直接相談をしに行くパターンです。

「年金課」のような名前が付いている窓口が管轄であることが多いです。なお、持ち物については一般的には下記のようなものが求められます。家を出る前に、あらかじめ自治体のホームページや電話などで持ち物を調べておくと良いでしょう。

持ち物

・身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、住民票など)
・マイナンバーか基礎年金番号が分かるもの(マイナンバーカード、年金手帳、ねんきん定期便のハガキなど)
※年金手続きにはマイナンバーと基礎年金番号、どちらを使っても受理してもらえます。

    年金事務所

      お住まいの地域を管轄する年金事務所の窓口に、直接相談をしに行くパターンです。

      市区町村役場と同じ持ち物が求められますので、忘れずに準備してから家を出るようにしましょう。

      郵送

      「国民年金被保険者関係届書(申出書)」を、お住まいの地方自治体か年金事務所のどちらかに郵送するパターンです。
      具体的には、日本年金機構のホームページにある「提出する書類」をコピーし、下記部分を記入したものを郵送します。

      ・左上の太枠「氏名記入欄」と「A.被保険者」の項目を全て記入する。
      ・「付加保険料:納付・辞退申出」の隣にある「6」を丸印で囲う。
      ・付加年金への加入を開始したい年月日を記入する。
      ・「1.納付の申出」を丸印で囲う。
      ※申出書の2枚目にある「提出にあたってのご注意」にも同様の案内が書かれています。

      5.保険料の支払方法

      普段の国民年金保険料に、付加保険料の400円がプラスされた状態で作成された納付書が送られてきます。したがって、いつも通りの方法で保険料を納めていただくだけで付加保険料の分も勝手に処理されるので、別途手間が増えるようなことはありません。なお、国民年金保険料を前納(まとめてお支払い済み)の方は、400円だけの納付書が別途送られてくる形になります。

      6.付加年金の受け取り方

      老齢基礎年金を受給すれば勝手に上乗せされるので、別途の手続きは不要です。

      7.付加年金の類似サービス

      似たような国の制度に「国民年金基金」というものがあります。これは加入プランによって掛金や保険料控除の金額が変わるので一概には言えないものの、基本的には付加年金よりも高額の年金を受け取れる手厚いサービスとなっています。ただし、それと引き換えに保険料はそれなりに高く、元を取り戻すまでのリードタイムについても、付加年金のような分かりやすく短いものではありません。

      なお、「付加年金」と「国民年金基金」のオプション追加は、どちらか1つしか選べません。両者の詳しい違いについて気になる方は、国民年金基金のホームページで調べてみることをオススメします。

      8.付加年金のメリット

      メリットをまとめると以下の通りです。ただし、ややマイナーな論点も混ざっていますので、詳しくはお近くの年金事務所にご相談ください。

      ・保険料が安い(1ヶ月400円)。
      ・年金の受給期間がたった2年を超えるだけで、保険料の元が取れる。
      ・老齢基礎年金の繰り下げ受給をした場合、付加年金も同率で増額される。
      ・保険料は全額が所得控除の対象となるので、わずかではあるものの節税になる。
      死亡一時金の金額に、加算が入る場合がある。

      9.付加年金のデメリット

      付加年金も年金型サービスである以上、100%得をする仕組みというわけではありません。たとえ掛け金が安くて気軽に加入しやすいとは言いつつも、デメリットの部分もしっかりと理解した上で、加入検討をされることをオススメします。

      ・インフレに弱い(今の200円と将来もらえる200円とが、同じ価値であるとは限らない)。
      ・年金受給開始前に亡くなっても、納付した付加年金保険料は返金されない(基本的には掛け捨て)。
      ・老齢基礎年金の繰り上げ受給をすると、付加年金も同率で減額される。
      iDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出限度額から、国民年金の付加保険料分が控除される。

      結論:迷ったら付加年金に加入するのはアリ

      デメリットの部分の精査は必要ではあるものの、保険料は1ヶ月たったの400円です。加入の手間も大きくないので、ぜひ、ローリスク・ミドルリターンな付加年金への加入を検討してみて下さい。

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