2023年10月から始まる「インボイス制度」。インボイス制度開始に備えたい個人事業主や副業をしている会社員は、まず「適格請求書発行事業者」としての登録が必要です。この登録に必要な書類や手続きについてご説明します。
インボイス制度においては、「適格請求書等保存方式」が採用されます。仕入税額控除を受けるためには、「適格請求書発行事業者」から交付される「適格請求書」(または、適格簡易請求書)の写し又は電磁的記録の保存が必要です。そのため、請求書を受け取る企業側は、できるだけ適格請求書を発行できる事業者と取引を行いたいと考えるのが自然です。
「適格請求書発行事業者」として事業を継続していく意思のある個人事業主(副業をしている会社員なども含む)は、インボイス制度が開始されるまでに適格請求書発行事業者になるための登録を行っておくことが望ましいと考えられます。なお、申請にも時間がかかりますので、2023年10月からインボイス制度を導入したい事業者は、余裕を持って申請しておきましょう。この申請受付は、すでに税務署などではじまっています。
・記入が必要な書類
適格請求書発行事業者の登録には、「適格請求書発行事業者登録のための申請書」の作成が必要です。下記ページから申請書をダウンロードし、必要な項目を記入しましょう。税務署で用紙を受け取ることもできます。
【2023年5月22日】
登録申請に必要な書類を作成できる「インボイス登録申請FinFin」をオープンいたしましたので、登録をご検討の方はぜひご利用ください!
・提出先
「適格請求書発行事業者の登録申請書」の提出先は、管轄の税務署です(確定申告書の提出先と同じ)。管轄の税務署がわからない場合は、下記から検索が可能です。また、直接窓口に申請書を提出する以外にも、郵送やe-Taxでの提出も可能です。
e-Taxで提出する際は、申請手続の確認をしておきましょう。その際、マイナンバーカード、利用者識別番号などが必要です。画面に表示された質問に回答しながら入力する形式であり、比較的簡単に手続きが完了します。
・受付期間
申請書の受付開始は2021年(令和3年)10月1日から開始されています。
・登録後
税務署による審査を通過し、適格請求書発行事業者として登録されると「登録通知書」が送付されます。e-Taxで申請した人は、電子データでの受け取りも可能です。「電子データで受け取りを希望するか」という質問が表示されたら、「希望する」を選択してください。
なお、登録に関して相談してみたいという人は、軽減・インボイスコールセンター(消費税軽減税率・インボイス制度電話相談センター)に相談することができます。
国税庁:軽減・インボイスコールセンター(消費税軽減税率・インボイス制度電話相談センター)
ただし、コールセンターで対応してもらえるのは、あくまでも登録方法などの一般的な質問や確認までです。より細かな質問や、事業を左右する判断について相談したい場合には、税理士・会計士などの専門家に頼るようにしましょう。
まとめ
適格請求書発行事業者の登録自体は、それほど難しいものではありません。確定申告で既にe-Taxを利用している人は、e-Taxでの登録も問題なく完了できるでしょう。適格請求書発行事業者になるかならないかは、基本的には事業者の意思に委ねられるのですが、メリット・デメリットを考慮すると、「手間を避けたいから」といった理由だけで登録しないのはやはりおすすめできません。制度についてきちんと知り、不明点をクリアにした上で決定しましょう。