「経費精算カフェ」をご存じですか? 「経費精算の目標が終わるまで退店できない」というユニークなカフェで、税理士の脇田弥輝(みき)先生が店長を務めています。
その脇田先生が同じく店長を務める「インボイス相談カフェ」が、わたしたち会計バンク協賛の元で新しくスタートいたしました! 10月から始まるインボイス制度について、疑問や不安を抱えるフリーランスの方の相談に乗る場所として、事前予約制で不定期の開催を予定しています。
記念すべきインボイス相談カフェの初めての開催は5月24日(水)。その日は開店前からお邪魔させていただきました。
経費精算カフェの開催場所「高円寺三角地帯」は、もともとは居抜きのイタリアンバーをそのまま活用したライブ配信&撮影スタジオです。「経費精算カフェ」の他にも、「原稿執筆カフェ」「動画編集カフェ」などのユニークな企画が行われていて、この「高円寺三角地帯」そのもののファンも多いとか。
レトロなデザインで居心地の良い店内は、三角形の独特な形。これが「三角地帯」という名前の由来です。オーナーの川井拓也さんにご挨拶したのち、脇田先生も自転車(!)で颯爽と登場。実は脇田先生の事務所が高円寺に位置しているため、距離はとても近いのだそうです。
お申込みの参加者もそろったところで、15時20分から「インボイス相談カフェ」がスタート。まずは「どうするインボイス!消費税の選択を誤らないためには」という30分のセミナーから幕を開けました。「インボイス制度とは?」という基本説明から、原則課税と簡易課税、2割特例の違い、インボイス発行事業者登録のための手続きなど、フリーランスの方が気になる実務的な内容にフォーカスして解説しています。
セミナーが終わった後は質疑応答です。もともと「インボイスについて相談できる場所」というコンセプトのため、参加された方は非常に熱心で、色んな質問が活発に飛び交いました。脇田先生もわかりやすい実例を交えて、熱を入れて丁寧に解説されていました。
たとえば「インボイス制度のために課税事業者になった場合、その年の10/1~12/31の売上だけ消費税が課税されるのか、それとも1/1~12/31の全ての売上に課税されるのでしょうか」という質問には、「インボイス制度のために課税事業者になった場合は特別に10/1~12/31だけの課税です」という回答がなされました。
他にも「打ち合わせに使う飲食店がインボイス対応しているかどうか、入店前に毎回確かめるのは大変かと思います。どうしたらよいですか?」という質問に、脇田先生が「簡易課税制度や2割特例を適用している場合は、その必要がありませんので手間も省けますよ」と回答され、相手の方も「なるほど!」と納得されていました。
個人事業主・フリーランスのインボイス対応は、「インボイスを発行する場合」にフォーカスされがちですが、経費の中の消費税がこれまで通り税額控除できるかどうか、も重要なポイントです。脇田先生の解説の通り、簡易課税や2割特例であれば、請求書の発行元がインボイス対応しているかどうかを気にする必要がありません。
そのため、経費がかさんでいて原則課税の方が節税になるなどの特殊なケースでなければ、経理の手間も考慮に入れて簡易課税や2割特例を使った方が良いでしょう、と脇田先生は締めくくっていました。
盛り上がった質疑応答が落ち着いてからは「わいわいタイム」と称して、軽食とドリンクで楽しみながら、自由に移動しつつ情報交換できる時間です。
この時間に参加者の方々にお話を伺ってみると、「みんな熱心に質問しているので、遠慮なく質問できた」「先生が丁寧に対応してくれるので、これまでの疑問が解消できた」とご満足いただけているようでした。
また、「インボイス相談カフェを知ったきっかけは?」という質問には、オーナー川井さんのtwitterで見かけて、インボイスについて相談したいと思っていたので、ちょうどいいと感じて申し込んだ、というご意見が複数ありました。高円寺三角地帯は様々な面白い企画を行っているので、この場所自体に注目している方も多いようです。
インボイス制度は今年の10月にスタートいたしますが、期限が迫れば迫るほど、対応を行う方が増えていくだろうと予想されます。脇田先生も、8月9月になるとインボイスについて相談したい方が増えてきて、なかなか相談できない状態になるかもしれない、と口にされていました。
また、インボイスを発行するための適格請求書発行事業者への登録にかかる時間は、徐々に伸びてきています。国税庁が公表している「適格請求書発行事業者の登録件数及び登録通知時期の目安について(令和5年5月12日)」によると、これからの申請はe-Tax提出の場合約1か月半、書面提出の場合は約3か月かかると記載されています。
これは5月時点の状況ですから、10月に近づくにつれて、さらに申請が増えて手続きにかかる時間が長引いていく可能性があります。もちろん適格請求書発行事業者への登録は必須ではありませんので、10月1日以降にインボイスを発行しない場合は、手続きの必要はありません。
しかし、10月1日からインボイスを発行したい!という場合は、9月に登録申請をしても間に合わないかもしれません(なお、通知が届くのが10/1を過ぎても、登録日自体は遡って10/1になります)。インボイス登録をするかどうか決めていない……という方は早めに相談して意思決定しましょう。
次回のインボイス相談カフェは、7月12日(水)15時から開催予定です。インボイス相談カフェ公式サイトにてお申込みいただけますので、気になる方はぜひチェックをお願いします! 今後も、少人数制でしっかりと相談できる機会をご提供いたします。
インボイスを発行するようになると、請求書発行の業務は以前より増える可能性が高いです。この機会に、デジタル化・省力化のためのシステムやアプリの導入をご検討されてはいかがでしょうか。
会計バンクの「スマホインボイスFinFin」は、請求書や領収書の作成・管理をスマホひとつでスマートに行えるアプリです。シンプルな機能を追求しており、かんたんに運用できます。
1.いつでもどこでもスマホだけで請求書発行
スマホ画面に沿って入力を進めるだけで請求書を作成できます。パソコンを開いて操作する必要はありません。
2.請求書や領収書の発行・受け取り
スマホひとつで請求書や領収書をPDF発行やメール送付、リンク共有することができます。受け取り処理も可能です。
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請求ワークに不慣れな方でも、専門的な知識がなくても、直感的に操作できるので安心です。