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2025.03.24 確定申告

「今年は確定申告が必要?」医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除で賢く節税!

「今年は確定申告が必要?」医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除で賢く節税!

基本的に関わることはないだろうと思っていても、ある年突然必要になることがある確定申告。自分や家族が病気になった、ふるさと納税を行った、新しい住まいを購入した……といった場合には、確定申告をするほうが節税になったり、お得になったりします。

確定申告が初めてだったり、馴染みがなかったりする人は、やり方がわからないことで焦っているのではないでしょうか。この記事を読んで確定申告の必要性を見極め、どのように進めたらいいかを確認していきましょう。

1.医療費が家族で10万円を超えていると「医療費控除」を受けられる

「去年は通院が多かった」「家族が入院した」「こまごまと病気をしていた」という方は、医療費の領収書を集めて合算してみましょう。その年の1月1日から12月31日までのあいだに、自分や家族(「生計を一にする配偶者やその他の親族」と表現されます)のために支払った医療費が10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を超える場合、医療費控除を受けることができます。 なお、ここで言う医療費には「通院費」や「医薬品費」も含まれます。

控除額を計算する際、健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金や、任意で加入している保険などからの給付金は医療費から差し引かれます。計算は目的別で行われますので、たとえば足の治療で受け取った給付金が足の治療にかかった費用を上回ったとしても、他の目的の給付金の金額から差し引く必要はありません。

医療費の計算には「医療費の明細書」を利用しますが、e-Taxでも作成が可能です。

参考:入力方法の選択(医療費控除)https://www.keisan.nta.go.jp/r3yokuaru/ocat2/ocat22/cid102.html#cmsF0916

■医療費控除の特例「セルフメディケーション税制」とは

「病院には通わなかったけれど、自分で医薬品を購入していた」という場合には、12,000円を超える部分の金額(88,000円を限度)の控除を受けることができます。詳しくはこちらをご確認ください。期間は現在のところ令和8年分までとなっています。

特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1129.htm

通常の医療費控除とセルフメディケーション税制の併用はできません。そのため、可能であればどちらも計算し、控除額が大きい方で確定申告をするほうが節税効果は大きくなります。

■確定申告書では「㉗医療費控除」に記載

確定申告書では「㉘医療費控除」に記入します。通常の医療費控除であれば金額の合計から10万円(あるいは、総所得金額等の5%の金額)を差し引いた金額、セルフメディケーション税制であれば12,000円を差し引いた金額を記入してください。確定申告書等作成コーナーやe-Taxであれば、自動計算されます。

2.ふるさと納税で6カ所以上寄付をしていたら確定申告「寄附金控除」を受けられる

ふるさと納税は、「生まれ育ったふるさと」や「自分の意思で応援したい自治体」など、自分で寄付したい自治体を選ぶことができ、税金の前払いができる上に自己負担額2,000円のみで「返礼品」を受け取れるお得な制度です。詳しくは『フリーランス・個人事業主もふるさと納税でお得になる?計算方法や確定申告の方法を解説』をご一読ください。上限金額についても説明があります。

ふるさと納税は寄付先が5自治体以下であれば、確定申告をしなくても寄付金控除が受けられる「ワンストップ特例」の制度を利用できます。ですが、6自治体以上の場合は確定申告でしか控除を受けられませんので、注意が必要です。5自治体以下であっても医療費控除など他の控除を受ける方は、「ついでに」確定申告で済ませてしまうのもよいでしょう。

確定申告書では「㉘寄附金控除」に寄付した金額の合計から2,000円を差し引いた金額を記入します。確定申告書等作成コーナーやe-Taxであれば、自動計算されます。

3.住宅ローンを組んで新居を買ったら住宅ローン控除の手続きを

住宅ローンなどを利用して新居を取得、あるいは増改築した場合、一定の条件を満たすと「住宅ローン減税」を受けることができます(住宅ローンを使わない場合にも所得税の減税を受けられるケースもあります)。金額は年末時点における住宅ローン残高の0.7%、所得税・住民税からの控除、期間は13年間となります。適用要件は次の通りです。

・住宅ローンの返済期間が10年以上
・物件を取得してから6か月以内に「自分自身」が入居すること。家族のみは不可
・床面積50㎡以上
・合計「所得」金額2,000万円以下

政府が認めた環境対策を講じていない住宅については、住宅ローン減税の対象外となります。下記を参考にしてください。

【居住年が2024(令和6)年の場合】

住宅の種類 借入限度額
新築住宅・買取再販 長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円(子育て世代・若者夫婦世帯は5,000万円)
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円(子育て世代・若者夫婦世帯は4,500万円)
省エネ基準適合住宅 3,000万円(子育て世代・若者夫婦世帯は4,000万円)
その他の住宅 0円
(2023年までに新築したことが確認できる場合:2,000万円

詳しくは 国税庁ホームページ「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」をご確認ください。

国税庁ホームページにある「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を利用して控除額を算出後、確定申告書の「㉔住宅借入金等特別控除」に入力します。確定申告が必要なのは住宅ローンを組んだ初年度分のみとなります。

要件について細かく確認したい場合には、国税局や所轄の税務署の電話無料相談などを活用しましょう。

4.勤め先で行われる年末調整の必要書類を提出し忘れた・間違いがあった場合

会社員の場合、税金の過不足をなくすために年末調整が実施されます。しかし、会社側は社員にどんな控除が適用されるのか把握できないため、社員が必要書類を会社に提出し、手続きをしてもらう必要があります。

具体的には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の保険料控除申告書」「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」が必要ですが、これらに必要な情報を記載し、提出します。

また、上記に加えて各種証明書が必要です。たとえば、生命保険に加入している人が受けられる「生命保険控除」は、社員から「生命保険料控除証明書」を提出することで会社側に控除の必要性が伝わります。

そのため、書類に記入漏れや間違いがあったり、証明書を提出し忘れてしまったりした場合には、正しく年末調整が行われていないことになります。その場合には確定申告を行うことで、税金が再計算されます。まずは「間違っていた」「提出し忘れていた」と気づいた時点で勤め先に連絡し、修正が不可能だと言われた場合には、個人で確定申告を行いましょう。

5.慣れない確定申告は会計アプリを活用しよう

毎年確定申告の時期になると、SNSなどでもその複雑さや大変さを訴える声が上がります。初めて確定申告を行う人や確定申告に慣れていない人は、「間違いなく確定申告できるだろうか」と心配になることでしょう。ですが、この記事でご紹介したような内容は、ポイントさえ押さえておけば十分に対応することができる範囲のものです。

最近はスマホで確定申告ができる会計アプリも登場しており、シンプルな操作で進めることができます。実は、確定申告は期限内であれば何度も送信が可能で、最後の申告で確定となります。間違いがあったときのためにも早めに着手しておくとよいのではないでしょうか。

【スマホで簡単】FinFinを使って確定申告をしよう

確定申告が不安な方は、会計アプリを使ってスマホで済ませるのがおすすめです。
スマホで源泉徴収票を読み取るだけで、税務署へ行かなくても、自宅にいながら確定申告ができます。確定申告をしたいと考えている方はぜひ「FinFin」を試してみてください。

記事監修者紹介

天野大税理士事務所 税理士
天野大 先生 天野大税理士事務所

1980年鳥取県米子市生まれ。約8年の税理士事務所での勤務経験を経て、2019年東京都府中市で天野大税理士事務所を開業。雇わない・雇われない働き方「ひとり税理士」。 小規模法人やフリーランス・個人事業主の税務を得意とし「ビジネスを通して社会を元気にする」を理念にスモールビジネス専門の税理士として活動中。